方便を究竟と為す その六

投稿日:2013年11月24日|カテゴリ:クリニックブログ, 方便を究竟と為す

いい年していつまでもアイドルのことばかり書くのはやめようと考えていましたが、平成24年の忘年理事会で生ビールを飲んで朦朧としていると、わざわざ医師会長がそばにいらして何をおっしゃるかと思いきや、「もっと『ももクロ』のことを書いて下さい!」とのことですので、「なにーっ!?」と思いつつも医師会長命令なのでやむを得ず続けることにしました。ん? ひょっとすると『ダライ・ラマ法王』の聞き間違いだったかもしれませんが・・・。まあ、どちらもいまやスーパーアイドルなのだからかまわないでしょう。

 

大晦日の紅白では、かつてメンバーだった仲間に対して、いかんなくその「友愛」の精神を発揮し(その意味と詳細はネットで「ももクロ紅白」などで参照のこと、ただしネット上はモノノフの感激のコメントで大炎上しているので注意)、年が明けたら「NHK公認アイドル」どころかNHKから「国民的アイドル」のお墨付きが出てしまった『ももクロ』ですが、今後は国立競技場での大きなライブを目標にすることや、オジイチャン・オバアチャン大会をしたり(まさかの60禁、あるいは孫同伴が必要では)と、老若男女問わず少しでも多くの人々を笑顔にしたいというようなことをNHKの朝の番組で話していました。そんな彼女たちが実はかつて白子町に来たことがあるといったら驚かれるかもしれません。「波乗り道路」が南白亀川を越えて片貝方向へ少し行ったところで、マンションにはさまれて南欧風の建物がありますが、ここはグラビア写真の撮影などに使われるスタジオらしく、2年前に『ももクロ』も自身のライブ「極楽門からこんにちは」の会場で流すビデオの撮影に使用したようです。撮影後はナント皆で白子の海岸で花火までやっていたらしく、ライブのメイキング・ビデオを見て気がついたのです。なあーんだ、そうだったのか!白子町は既に2年前から『ももクロ』の聖地、エネルギースポットだったんだ。俺はそこで医者やってたんだから、道理で引き込まれてしまうわけだ。アーッハッハッハッハッハッハッ、というわけです。ん? しかし、何だかこのシチュエーションはどこかで読んだことがあるが・・・。

 

探究者が真実を知った時に、つまり自分がさんざん探しまわってきた真理が実は最初から自分自身の中にあったことに気がついて、あまりの滑稽さに大笑いをするというシチュエーションは、精神世界の反逆児とでも呼ぶべきoshoラジニーシが好んで講演の中で語ったことです。笑いについて彼が述べていることを少し長くなりますが引用してみましょう。

 

「私自身の理解は、笑いよりも貴重なものは何もない、ということだ。笑いは祈りの最も近くへあなたを連れてくる。実際あなたがトータルである時は、唯一笑いだけがあなたの中に残る。・・・・・しかし、本当に心からの大笑いをするときは、あなたの存在のすべての部分―肉体的、精神的、スピリチュアル―それらはすべて、ただ一つの旋律の中で振動する。・・・・笑いはくつろぐ。そしてくつろぐことがスピリチュアルだ。笑いはあなたを大地に連れて来る。・・・笑いは、あるがままの現実へあなたを連れてくる。世界は神の戯れ、宇宙的冗談だ。それを宇宙的冗談として理解しない限り、究極の神秘は決して理解できないだろう。」(市民出版社「アティーシャの知恵の書」より)

 

大笑いしているときは私たちのエゴは一時的に活動を停止していますので、お天道様とつながりやすくなるようです。ワライ(笑い)はハライ(祓い)に通ずるという人もいますし、医療の世界でもかなり前からノーマン・カズンズやパッチ・アダムスなど「笑い」が持つ治癒力に注目して活動されてきた方々がいます。私も思うところあって、平成25年の我が診療所のテーマは「笑い」にしました。本人はかなり「笑い」から遠いところにいますが、一年間かけていろいろ考えてみようと思っています。

 

今回の作品はタンカでもアラビア書道でもなく、ナントこの年末から正月にかけて、今年のテーマにちなんで私が考案した、我が診療所の(裏の?ただし表はまだ未作成)ロゴ・マークです。文房具店で素敵な色紙を見つけたので描いてみました。緑・ピンク・黄・紫の4色の四つ葉のクローバーの中心に日本の仙厓和尚の禅画「指月布袋図」からコピーした布袋図を赤で描いたものです。布袋さんは「笑うブッダ」として知られた中国の禅師で、言わずと知れた日本の七福神の一人ですが、彼が童子と一緒に月を指さして笑っているところです。ちなみに紅白歌合戦で我が国民的アイドルが歌ったメドレーの前半部「サラバ、愛しき悲しみたちよ」の楽曲を提供したのも「ホテイ」という有名な日本人ギタリストでした。4つの葉の中の「生命(Life)・慈愛(Love)・大笑(Laughter)・光明(Light)」はoshoラジニーシの本からの引用で、彼は人は必ずこの順番で(生きて、愛して、笑って、光に気付いて)悟って行くというようなことを述べています。5つの色が何を示しているかは、賢明な読者のみなさんならもうおわかりのことでしょう。最後にまたしてもその国民的アイドルの歌から引用して終わりにします。

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小娘のたわごと、と 切り捨てないで

しかめつら なんか 変な顔 笑顔を 見たいから

笑おう 笑おう さあ 笑いましょ こんな時代こそ 笑いましょ

笑おう(ソイヤ ソイヤ) 泣いたら負けだ やけくそ 笑いましょう

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(桃黒亭一門「ニッポン笑顔百景」より)

注:『桃黒亭一門』とは『ももクロ』のメンバーのまんま、この歌のときだけ使われるユニット名です。

 

困難な状況に出会ったら、やけくそでもいいからすべてを笑い飛ばしているうちに、悟りへの道が開けるかもしれません。

(この文章は平成25年初めに、
茂原市長生郡医師会の会報に院長が寄稿したものを、医師会事務局の許可を得て一部改変して掲載しています。)